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T-ch No.10 『おいしく食べる』ということは、人生の楽しみそのもの!!
-今日からできる摂食嚥下ケア-

「おいしい食事を味わうことが人生の喜びだ」と感じる方は多いでしょう。しかし、加齢や病気の影響で、食べ物をうまく噛めない・飲み込めない状態になることがあります。これを摂食嚥下障害と呼びます。摂食嚥下障害があると、食べ物が気管に入りやすくなり、むせ込みが増えます。うまく吐き出せない場合には、そのまま肺まで入り込み、誤嚥性肺炎を引き起こすことがあります。高齢者の肺炎の多くが誤嚥性肺炎といわれており、早期の対策がとても重要です。

摂食嚥下とは、食べ物を認識して、口に取り込み、噛み、飲み込み、そして胃へ送り込むまでの一連の動作です(図1)。この動作には、多くの筋肉が関わっています。足腰の筋力が加齢で弱るように、飲み込むための筋肉も年齢とともに衰えていきます。そのため、首・口・舌の体操で筋肉を鍛えることが摂食嚥下障害の予防につながります(図2)。普段、意識して鍛えることのない筋肉ですが、1日3回の食事が筋肉への刺激となっています。一方で、誤嚥性肺炎になり、食事をしていない期間ができると、これらの筋肉は急速に低下してしまい、再び食事を始めようとしても飲み込むことができないことが多々あります。そのため、摂食嚥下障害があっても、ゼリー状の食事やトロミがついた食事など、食形態を調整しながら食べ続けることが大切です。

図1


(図をクリックすると大きな図が表示されます)

また、口腔内は細菌が多く存在する場所で、「細菌の温床」といわれることもあります。もちろん、細菌があること自体が悪いわけではありませんが、口腔内の環境が悪化すると、誤嚥性肺炎のリスクが高まります。さらに、高齢者は唾液が出しづらくなっていることも多く、口腔内が乾燥していることがあります。そのため、積極的な口腔ケアで清潔に保っていくことがとても大切です。加えて、唾液腺のマッサージも誤嚥性肺炎の予防に有効です(図3)。


(図をクリックすると大きな図が表示されます)

「食べる」という行為は、単に栄養を補給するだけでなく、味わう楽しみや食事の時間そのものの喜びにつながります。そのため、「食事」が制限されると、人生の質(QOL)は大きく低下してしまいます。人生100年時代、いつまでもおいしい食事を楽しむために、今できるケアを一緒に始めてみませんか。
ぜひ、首・口・舌の体操や唾液腺のマッサージを日課にしてみてください。

リハビリテーション科
助手 内田 健太
主任教授 緒方 直史

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