遺伝カウンセリング外来-遺伝性腫瘍-

診療内容・特色

当院では、遺伝性腫瘍全般に関する遺伝カウンセリングに積極的に取り組んでいます。臨床遺伝専門医、認定遺伝カウンセラー、放射線科医、看護師などの複数診療科の専門職がチームとなり対応しています。
遺伝カウンセリングでは臨床遺伝専門医や認定遺伝カウンセラーが、遺伝子検査の実施にあたり必要な医学的情報を正確に分かりやすく説明します。検査の選択や今後の対応について、十分にご理解いただいたうえで、納得できる意思決定ができるように支援いたします。

※個人情報の管理・保管について

遺伝カウンセリングや遺伝子検査に関連する情報は、個人情報を含めて厳密に保護、管理しております。

当院では以下のような遺伝性のがんに関する遺伝カウンセリングおよび遺伝子検査に対応していおります。

• 遺伝性乳がん卵巣がん症候群（HBOC）
• リンチ症候群
• 家族性大腸腺腫症（FAP）
• 多発性内分泌腫瘍症
• リー・フラウメニ症候群
• カウデン症候群 など

遺伝性腫瘍に関する特徴

以下のような特徴がある場合、遺伝性腫瘍の可能性があります。

• 若年でがんを発症した方が家族内にいる（好発年齢より10～20歳若い発症）
• 一人の方が複数回がんに罹患している
• 特定のがんの発症が家系内に多い
• 家族にすでに遺伝性腫瘍と診断された方がいる

遺伝カウンセリングをおすすめする方

• 遺伝性腫瘍の診断を受けた方、またはその疑いのある方
• ご家族に遺伝性腫瘍と診断された方がいる血縁者の方
• がんの遺伝について不安や疑問をお持ちの方
• がんに関する遺伝子検査について詳しく知りたい方

検査とフォローアップ

遺伝カウンセリングの結果、対象となる方には、ご希望があれば、遺伝子検査を実施いたします。 検査で遺伝子の異常が見つかった場合は、今後のがん発症リスクに応じた対策を講じ、継続的なフォローアップを行います。また、患者さんご本人やご家族が直面する心理的・社会的な課題にも寄り添い、お気持ちを尊重しながらサポートしていきます。

他院に通院中の方へ

当院以外の医療機関におかかりの患者さんや血縁者の方でも、当院にて遺伝カウンセリングや遺伝子検査をお申込みいただけます。
その際は、受診方法に従って、当院のゲノム診療外来（産婦人科・自費診療）をお申し込みください。ゲノム診療外来にて、対象となる方に遺伝カウンセリングを予約しています。詳しくは、受診方法をご覧ください。

多発性内分泌腫瘍症（MエムEイーNエヌ1型／MエムEイーNエヌ2型）

MEN（Multiple Endocrine Neoplasia）は、ホルモンを分泌する複数の内分泌臓器に腫瘍や過形成（過剰な細胞分裂による組織の肥大）を生じる遺伝性疾患です。MENは遺伝子変化（バリアント）によって発症するため、遺伝子検査が診断・予防に重要な役割を果たします。

• MEN1型：副甲状腺、膵臓、脳下垂体、胸腺、副腎、皮膚などに腫瘍が発症しやすい
• MEN2型：甲状腺、副腎、副甲状腺に腫瘍が発症しやすく、特に甲状腺髄様がんや褐色細胞腫に注意が必要

MENが疑われるものの臨床診断されていない方、若年で臨床診断が難しい方には遺伝子検査が診断に役立ちます。また血縁者を早い段階で診断できれば、早期からの予防や対策が可能になります。未成年の方でも、保護者の同意があれば、遺伝子検査を行うことができます。

MENの遺伝子検査を希望される方へ

MENの遺伝カウンセリングや遺伝子検査を希望される方は、必ず当院のMEN専門外来（保険診療）を受診いただき、対象となる方には、遺伝カウンセリング（自費診療）を予約しています。詳細は受診方法をご覧ください。

スタッフ

青木　美保（認定遺伝カウンセラー）

遺伝カウンセリング外来（遺伝性腫瘍）の情報

受診方法

• 遺伝性腫瘍の申込方法や検査の詳細はこちら
• 遺伝性腫瘍の血縁者の申込方法や検査の詳細はこちら
• 多発性内分泌腫瘍症(MEN)の申込方法や検査の詳細はこちら

来院時にご用意いただくもの

• 家族歴記入用紙（受診方法から印刷できます）
  ご家系の家族歴を記入いただき、当日外来受付にご提出ください。
• 家系内に遺伝子検査を受けられた方がいる場合は、検査結果報告書のコピーをご持参ください。